アラサー女子が、好きな彼から結婚を申し込まれたらうれしいはずですよね。
でも、結婚早々に海外転勤が予定されているとしたらどうですか?
初めての海外生活に不安を覚えるのも無理はありませんが、実は案外何とかなるものです。
私の実体験からお話したいと思います。
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彼から結婚を申し込まれた、という高校からの友人は、海外での生活を目の前にしてどこか煮え切らない様子。
だから、海外転勤から一時帰国中の私を呼び出したのねと妙に納得しました。私も現地へ引っ越して初めは苦労したし、今まで海外生活で様々な方を目にしてきたので、役に立てそうなおお話ができそうです。
引っ越してからの一般的な気持ちの変化
まず私は友人に、自分自身が海外について行った時のことを話しました。
私は初め新たな環境に頑張って適応してみようと思い、初めは旦那と一緒に、平日も一人で慣れないながらも色々なところに出かけてはいたのですが、外国人店員のそっけない対応や、言葉が通じないことにカルチャーショックを受けてしまいました。
それからしばらく外に出るのが怖くなってひきこもる生活を送り、日本の家族や友人のことを思い出しては泣く日もありました。
旦那は多忙な上に、新しい環境で忙しそうで相談する雰囲気ではありませんでした。まぁ、疲れて帰ってきた旦那に当たり散らす日もあったんですけど…。
しばらくひきこもっているうちに、このままじゃだめだと思い立ち、旦那の会社や趣味のコミュニティを通じて奥さんや友人を紹介してもらい、知り合いを作ることでまた外に出てみることしました。
1からの関係作りは緊張しましたが、旦那以外の人と話すことは久しぶりで新鮮でした。色々現地での暮らしのノウハウを教えてもらったり、自分自身で経験を積んで慣れることで新しい生活の基盤を築くことができたのです。
ここまで聞いて友人は「大変だったんだねぇ…。私は乗り越えられるかなぁ?」と不安げな様子でした。私は「実はここまでの心の変化はほぼ誰でも体験することなんだよ。」と続けました。
アメリカの心理学者フィンクが唱えた、周囲の環境や自分自身の変化による人間の心の受容過程を語った「フィンクの危機モデル」というものが存在します。
1.衝撃2.防御的退行3.承認4.適応という変化に私の行動もぴったりと当てはまっていたのです。1.衝撃(カルチャーショックとの出会い)2.防御的退行(家でひきこもる)3.承認(変化を受け入れて新しい行動してみる)4.適応(生活に慣れていく)といった風に。
現地の先輩たちに聞いてみると、「一緒だよ~!初めは泣いてばっか!」「帰りたくなるよね…。でも気持ちの整理をつけて一線を越えたら楽になる!」とみんな面白いように似たような気持ちの変化をたどっていたのです。
このフィンクの危機モデルは友人へ説明した海外への引っ越しだけてなく、手術やケガによって障害を負ってしまった患者さんへのケアに一般的に用いられます。
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適応できない人、時間がかかる人もいる
ここまで聞いて「そっかぁ!私もしばらくして、気持ちの整理がつけばなれるのかなぁ?」と友人は少し自信が出てきた様子。
しかし、私はフィンクの危機モデルに沿った受容過程を得て海外生活に適応することができたのだけれど、すべての人がそうではないということも友人に話さなきゃいけないなと思い、話し始めました。
現地で知り合った人の中には、どうしても今の暮らしを受容できずに日本へ帰ってしまう人いました。
友人は「え~そんなことしたら彼の会社でも出戻り奥さんって噂になっちゃいそうだし、意地でも行ったらそこにいなきゃ…。」と言っていたのですが、決して珍しいことではないし、奥さんだけ長期の一時帰国で心の休養をして再出発から上手に生活に適応できる人もいるということを話しました。
上の危機モデルから見てみると、防御的退行と承認の期間がちょっと長かったということです。そんな人は珍しくなかったし、何ならそのまま単身赴任になっちゃう人もいたし、年中人の出入りが多いから周りの人はいちいち気にしないと友人に話しました。
無理して適応できない環境にとどまって、明らかにうつ状態になってしまった方もいましたし、自分の心の悲鳴が聞こえたら無理をしないのが一番良いのです。
ついて行かないという選択
今まで転勤について行く前提で友人には話をしましたが、もちろんついて行かない選択もあります。
友人も「うーん…。そうなのよね、ついて行く前提になると、私は仕事辞めなくちゃ…。」と話しています。
夫の海外転勤が決まった際は、妻の会社が休職を認めてくれる、在宅ワークが可能、タイミングよく産休育休中であるといったような特殊なケースでない限り、仕事を辞めてしまう方がほとんどです。
よって、働いてきた妻にとっては急に仕事をなくす+慣れない環境での新生活と2つの大きな環境の変化への適応が求められるのです。
友人は「こんなの、すぐには決められないわ。」と言っていましたが、当たり前のことです。今後の自分の人生の大きな決断を迫られているのですから。
私の前職の先輩でも、転勤族の彼氏にプロポーズされて仕事を取って断った方もいましたし、旦那さんの海外転勤の期間が数年と明白であれば、はじめから単身赴任をしているという方もいます。
どんな決断であれ、友人が悩んで出した結論には彼は納得してくれるはずだよ、と最後に背中を押しました。
まとめ
小難しく説明しましたが、新しい環境に適応できるには、その環境で友人を作るなり、趣味を楽しむなり、時間が解決するなり、その人自身の気持ちの整理のつけよう次第で、周りの人はその手助けやアドバイスしかできません。
後日、友人から「プロポーズを受けてついて行くことにしたよ!これからお互い海外生活組として、よろしくね!」と報告を受けました。
住み始めてからが友人は様々な壁にぶつかることも今後あると思いますが、友人なら乗り越えられると信じていますし、またその助けになれたらいいなと思いました。