窮屈なスタンダード4列シートでできるだけ快適に過ごすためには、ちょっとした工夫があります。
その工夫のおかげで、翌朝目的地に到着したときにスッキリ目覚めることができて、すぐ行動することができます。
そんな工夫のお話を分かりやすくまとめました。
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夜行バスは、他の公共交通機関の料金に比べて安価です。そのため「とにかく安く移動したい」というときは、特にスタンダード4列シートの車両は最適な手段と言えるでしょうね。
ただし、狭いしリクライニングもほとんどない状態で乗っている時間が数時間になりますので、肉体的にも精神的にも苦痛を覚える可能性は高いです。
少しでも快適に過ごすために出発前からの心構えや簡単にできる工夫をご紹介します。
夜行バスの快適な過ごし方
夜行バスは、ほとんどの時間を寝て過ごす乗り物です。21時前後に乗車して最初の1~2時間は起きているとしても、午前0時を過ぎれば寝ようとする方が多いです。もしあなたが目がさえて全く眠くないとしても、車内は「ガサガサしないでおとなしく寝てくれ!」的な空気感になりますので、素直に寝ることを考えた方が無難です。
そう考えると快適な過ごし方とは、快適に眠ることといってもいいでしょう。
さて、狭いしほとんどリクライニングしないスタンダード4列シートでは、どうすればいいのでしょうか?
それは、出発日当日の朝、起きることから始めます。まずは早起きしましょう。仕事だろうがお休みだろうが、日中に予定があってもなくても、とにかく早起きします。そして絶対に昼寝やうたた寝をしないこと。もちろん眠気を我慢するのは、無理がない程度にしてください。
また、自宅を出る前に入浴などして、できるだけリラックスした状態で乗車場所に向かいます。
予定とおり乗車できれば、あとは席に着くだけですが、スタンダード4列シートの車両の場合、席予約ができないことが多いです。早いもの順で好きな席に座りますが、少しでも快適に眠るために避けたいのは、トイレの近くとタイヤの上の窓側の席です。
トイレの近くは臭いも若干心配ですが、ドアの開け閉めなどの人気(ひとけ)も気になってしまって眠気を邪魔する可能性があります。
タイヤの上の窓側の席は、両足をそろえて置けない可能性があります。外側に段差があって運転士側の窓側であれば右足が、反対側であれば左足がその段差に乗せる格好になるので落ち着きません。そればかりでなく、乗せてる側の股関節やお尻さえも何となくムズムズする感じがします。
それと持ち込みする手荷物は、網棚などがある車両であれば、そこに置ける程度の荷物にとどめます。くれぐれも足元に置かなくて済むようにしましょう。寝るためにただただ邪魔です。
ただし、飲み物や必要に応じて携帯枕、アイマスク、イヤホン・耳栓など、腰用クッション、マスク、ティッシュ、タオル、ブランケットなど羽織るもの、スリッパなどは、座っていても手が届く場所に準備しておきましょう。バスが動き出してから立ち上がったりするのは危険ですし、他の方が寝始めてからガサガサすると迷惑しちゃいます。
他の方への迷惑の話で言うと、ポリエチレン製のレジ袋(コンビニ袋)などは、極力避けましょう。ご存知の通り、どんなに丁寧に扱ってもカシャッカシャ音が出ます。他人が出すこの音ほど鬱陶しいものはありません。わざと音を出してるのか?と勘ぐってしまうほどです。ポリエチレン製や紙製ではなく、布製の袋に入れ直した方がスマートですね。
服装や持ち物については、夜行バスの初心者が服装、化粧、持ち物で失敗しないコツで詳しく説明していますので、併せてお読みください。
夜行バスでのトイレ
スタンダード4列シートの車両でもトイレなしというのは、少ないと思います。安価重視のため、あえてトイレなし車両を選んだ場合、乗車前に少なくても1回はトイレを済ませ、当然ながら水分の摂取を控えましょう。
自宅では、夜中にトイレに起きることはないという方も移動中のバスということで条件が変わりますから油断なさらずに。
もっとも移動中は、高速道路上のSAやPAを利用して数回のトイレ休憩がありますから、よほど体調が悪いとか暴飲しなければ、まず心配しなくても大丈夫だと思います。(もちろん、ご自身の体調と相談しながらということになりますが。)
むしろ、トイレ休憩のたびに睡眠を妨げられる可能性がありますので、そちらの方が心配ですね。寝不足で朝を迎え、目的地で頭がスッキリしていなくては台無しになってしまうかもしれませんね?
ただ1点だけ覚えておいてほしいのは、トイレなしのリスクはゼロではないということです。
高速道路上での事故や天候の影響などで何時間もバスを動かせない不測の事態にになったとき、車両にトイレがないのは大きなリスクです。もちろん、そういった事態はあなただけの問題ではなく、同じバスの乗客や同じように停車中のまわりの車でも同じですから全員で何とかするという流れになり、対応策は見つけやすいとは思いますが。
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夜行バスで荷物の取り扱い
もともと狭いシートで、背もたれを倒せるリクライニング機能もほんのわずか、そんな座席に大きな荷物もを持ち込んだら邪魔で仕方ありません。荷物がある場合は、乗車する車両の荷物取り扱いに関するルールを知って、手荷物を車内に持ち込むのかトランクに預けるかして賢く利用しましょう。
車内に持ち込む手荷物について
持ち込むことができる手荷物には上限があります。
重さは10キログラム以下、容量は0.3立法メートル以下、長さは1メートル以下で、バスの網棚に置けるものです。シートの下や足元に置けますが、暖房の吹き出し口がありますので、手荷物が暑くなってしまわないように注意します。また、バス会社スタッフの判断で持ち込みを拒否されることもあります。
トランクに預ける荷物について
預けることができる荷物にも上限があります。
3辺(縦、横、高さ)の長さの合計が、荷物1個であれば155㎝以下、2個であれば240㎝以下です。ただし、トランクがない車両やトランクがあっても1個しか預けられない車両もありますので、注意してください。
取り扱いの制限
車内への持ち込みやトランクへ預けられないものがあります。
刃物類や凶器になり得るもの、火薬や大量の花火など発火や爆発の恐れがあるもの、引火する恐れがある液体、大量のフィルムやセルロイド、大量のマッチ、電池、動物(死骸も含む)など乗客乗務員の生命などを直接的に脅かすものです。普通の生活でも危険だなと思えるものは、まず無理ですね。
また乗り合いバスの性質上、必要な制限もあります。
どうしても振動は避けられませんので、壊れやすいものは預けられません。また、トランク内は温度調節していませんので、熱に弱いものもダメです。貴重品は、専任の管理者がいるわけではないので、万が一のことを考えて預入不可です。スキー、スノーボード、ゴルフバッグについては、預入可能な車両とそうでない車両がありますから注意してください。
※ご紹介した数値は、すべての車両に適用されるわけではありません。荷物取り扱いにおける詳細なルールは、車両または運行会社のルールをご確認ください。
まとめ
スタンダード4列シートの夜行バスは、使いようによってはコスパの高い移動方法です。十分に準備して朝まで快適に過ごせるようにしましょう。
夜行バスの予約については、夜行バスは怖いけど夏休みに快適に乗る!予約とキャンセルは簡単をご覧ください。